皆さん、今回は血尿に関してお伝えします。
血尿が生じたとき、様々な疾患の可能性が示唆されます。
排尿時痛をともなう場合は急性膀胱炎や急性尿道炎などが考えられます。
右もしくは左の側腹部痛(腰部痛)をともなう場合には、
尿管結石や腎盂腎炎などの可能性があります。
最も注意しなければならない血尿は、
無症候性肉眼的血尿(痛みなどの症状のない血尿)です。
無症候性肉眼的血尿の場合は、
尿路(腎盂~尿管~膀胱)の悪性疾患のことがあります。
そのような症状の場合はすぐに泌尿器科をご受診ください。
検査ブログ③にも血尿について掲載してますのでご覧ください。
本年も世の中いろいろなことがありました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延が最大の出来事でしたが、今は患者数も減り幸いだと考えています。
そんな中、当クリニックにもたくさんの患者さんにご来院いただいており感謝申し上げます。
さて、年末年始、お酒を飲む機会も増えてくるのではないでしょうか。
元来、前立腺肥大症の持病がある方は、深酒することでさらに尿の出方が悪くなることがあります。
なぜお酒を飲むと尿の出が悪くなるのかというと、次の通りの理由があるからです。
前立腺には血管が豊富に通っています。お酒を飲むことで前立腺の血流も多くなり、もともと肥大している前立腺が一時的にさらに大きくなります。
その大きくなった前立腺が尿道を圧迫するのでおしっこの通り道をふさいでしまい、そのため尿が出なくなってしまうということなのです。
楽しい時間を過ごすためにも、お酒の量はほどほどにしてお過ごしください。
※なお、泌尿器科の夜間・祝日の急患に関しましては、筑紫野市の高山病院で24時間対応いたしますので、お電話ください。
<急患受付>
高山病院 TEL092-921-4511
皆さん、健康診断は受けられていますか?
いつも決まった検査をしている方が多いと思いますが、50歳以上の男性の方は、一般的な採血検査に加えてオプション(市区町村で金額は異なります)でついている前立腺がんのマーカー(PSA採血)を加えてみてはいかがでしょうか。
近年食生活の欧米化により日本でも前立腺がんが急増しています。
特に排尿障害や夜間頻尿(就寝後2回以上トイレに行く)などの症状のある50歳以上の男性の方は、健康診断で一度PSA採血を組み込むのも検討してみてください。
火曜日午後の女性泌尿器科外来を担当している川﨑です。
みなさん、骨盤臓器脱という疾患をご存知でしょうか?
膀胱や子宮、直腸などの臓器が膣から下がって出てくる疾患です。
原因はさまざま言われていますが、妊娠・出産、閉経、加齢などにより骨盤臓器を支える骨盤底筋力の低下によるものと考えられています。
患者さんからは、
「お風呂に入っているときにピンポン玉のようなものが触れてびっくりした」
「午前中はどうもないけど、夕方になると下がった感じ、引っ張られて不快感がある」
「朝はよく排尿できるけど、夕方は残尿感がありおしっこが出にくい」
「膣から飛び出しているボール状のものを押し込んだらおしっこが出る」
「最近排便しにくい。便が出そうなのに出しにくい」
などの訴えがあります。
軽度の症状は、骨盤底筋体操という骨盤底筋の筋肉トレ理学療法で改善します。
中等度以上になると外科的手術の適応になります。
似たような症状でお悩みの方がいらっしゃったら、一度女性泌尿器科外来までご相談ください。
最近、特に中高年男性は元気がなくなり弱々しくなっている印象があります。
一方で女性はたくましく力強く生きている印象です。
今まで女性に対する更年期を含めた医療、加えて生殖医療に関してはめざましい発展があります。
しかし、男性に対する更年期障害に対しては今まさに精査加療が始まったばかりです。
性機能低下、集中力や記憶力の低下や睡眠障害といった精神症状、疲労感、抑うつ症状、短気などの気分変調などある方は男性更年期の可能性があります。
当院では男性更年期障害の治療も行っております。ご相談に来られませんか?受診お待ちしております。
今回の院長コラムは、前回お伝えした膀胱炎が原因となって起こる腎盂腎炎についてお伝えします。
膀胱炎が原因となって、腎盂腎炎になることがあります。
膀胱で繁殖した細菌が尿管をさかのぼり、腎臓に到達して炎症を起こしてしまいます。
症状としては、背中や腹部の痛みと高熱がみられます。
細菌が腎臓から血流にのって全身に広がると命に関わることもあります。
発熱があるときはできるだけ早く病院を受診しましょう。
治療は抗生剤などの薬物治療および十分な水分摂取で利尿をつけることですが、症状がおさまっても決められた薬は飲み続けましょう。
細菌を退治してしまうことが慢性化しないためにも重要です。
今回は、院長コラムをお届けします。
泌尿器関連で女性に多い「膀胱炎」についてお伝えします。
膀胱炎は大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に入り込み、中で炎症を起こしてしまうものです。尿道が短い女性に圧倒的に多くみられます。
下腹部に痛みを感じたり、排尿時に差し込むような痛みを感じます。また、排尿の回数が増えて30分~1時間ごとにトイレに行くこともあります。
治療は抗生剤などの薬物治療を行います。
予防のために、普段から水分を多くとり下腹部を清潔にして、尿意を我慢しないように気をつけましょう。
だんだんと暑くなってきましたね。
熱中症も心配ですが、これからの季節、泌尿器科で増えてくる患者さんの病気の一つに「尿路結石」があります。
今回は「尿路結石」について院長の結城より、お伝えします。
尿路結石は、腎臓でできた結石が尿路に詰まり、尿の流れが悪くなってしまう病気です。
夏場は水分が不足しがちになるため、尿の濃度が上がり、結石ができやすくなります。
尿路結石の典型的な症状としては、激しい痛みと血尿があります。
痛みが激しい場合は、痛みを抑える座薬や点滴などを投与します。
ただし、鎮痛薬だけでは結石はなくなりません。自然に出てくるのを待つか、外科的治療を行います。
水分を十分にとり(1日2リットル以上が目安)、バランスのとれた食事をとり、適度な運動をすることが再発の予防になります。
毎日の生活の中で少し気を付けることで、これからも快適な暮らしを愉しみましょう。